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青木 久 氏 
流通経済大学宅建講師
カルチャーセンター講師
室内環境問題研究会
宅地建物取引主任者
青木久行政書士事務所
第7回 ギリシャ・ユーロー危機と日本
第6回 不動産競売について
第5回 シックハウス症候群について
第4回 宅建試験に於ける抵当権の問題解説
第3回 宅建試験に於ける登記に関する問題の解説
第2回 宅建試験に於ける債務不履行に関する出題
第1回 宅建試験に於ける原状回復の問題

■■ 第7回 ギリシャ・ユーロー危機と日本

欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)が日本円にして約14兆円のギリシャへの融資などの第2次支援を決めた事で、ギリシャが債務不履行(デフォルト)に陥る事態は当面回避された。ギリシャの債務不履行はギリシャ国家の破産を意味する。

ギリシャは長年の国家的な粉飾決算が発覚し、さらに放漫財政で深刻な財政危機に陥っている。また、過去に財政再建の公約を何度も破ってきたため、ユーロー圏には不信感が根強い。

ギリシャは具体的には@公共投資の大幅削減、A最低賃金の引き下げ、B公務員の大幅な削減を本気で実施しないといけない状況である。国民の4人に1人が公務員と言われて公務員が多すぎる。平成24年2月にギリシャの議会で追加の歳出削減策をまとめたが、国内では緊縮策に反対のデモが続いている。 いまやギリシャの危機はイタリヤやスペインにまで波及し、ユーロー圏の危機、さらには、第2のリーマンショックにもなりかねないと言われている。

この問題はギリシャやユーロー圏の問題では決して無い。対岸の火事ではない。今回さらにギリシャ債務削減案がギリシャ議会で可決された。つまり、ギリシャが発行した円建て国債にも影響を与える可能性はある。ユーロー諸国は民間金融機関が保有するギリシャ国債の元本の約50%以上削減する事で合意した。これに対して、日本の金融庁は日本にはほとんど影響は無いと見ている。

しかし、現在の日本の状況はどうかと言うと、1千兆円の赤字を抱えている。また、歴史的な円高が続き、輸出が減少し、デフレで景気が悪く、雇用の不安定から国民は将来に希望が持てなくなっている。そうしたなか、日本の国権の最高機関である国会はどうかというと、重要な法案を何一つ決められず、国家の展望も見えてこない。日本も議員の数が多すぎる。国民の人口に対する議員の数が、日本は米国よりかなり多い。今こそ国民の一人一人が政治を本気に監視していく必要がある。

■■ 第6回 不動産競売について

(1)不動産競売は昭和55年10月から施行された民事執行法によって行われます。
債務者が住宅ローン等の支払いを滞ると、銀行等の債権者が裁判所に申し出て、債務者の不動産を売却して債権の回収をはかる手段です。
競売にも強制競売と担保権の実行とあります。不動産競売は担保権の実行の方です。
担保権には抵当権、根抵当権、質権、譲渡担保権、仮登記担保権等があります。
 
(2)現在の日本の状況について
平成21年の統計によると、自己破産者は約13万人、自殺者数は約3万人、競売物件数は約6万件、平成22年の完全失業者数は約365万人、平成23年11月の生活保護者数は約205万人との事です。
その背景はリーマンショック以降の円高、景気の低迷などのため、経済の悪化が深刻になっているからです。会社の倒産、失業、リストラ、収入の減少、予定外の出費等のため、住宅ローンの返済に困っている人が急増している現状です。

(3)不動産競売の手続きの概要
1.競売の申立て(債権者が管轄の裁判時所へ)
2.競売開始決定(裁判所による審査)
3.登記の嘱託(裁判所から法務局に対し差押登記の嘱託)
4.現況調査命令・評価命令(裁判所から執行官と評価人へ)
5.売却基準価額の決定
6.物件明細書作成他
7.売却日時等の公告
8.売却
9.売却決定
10.代金納付(買受人が行う)
11.登記の嘱託
12.配当期日の指定
13.配当手続きの流れです。

(4)競売不動産を買い受けるメリット・デメリット
メリットは市場価格の2〜3割安で購入する事も出来る。
デメリットは、

1.物件に欠陥が有っても法的保護がない。
2.自己資金が必要である。売却基準価額の10の2が原則。
3.希望物件の中を見ることに制限がある。
4.調査は自分で行う。

(5)抵当権について
債務者又は物上保証人が、債務の担保に供した不動産等その他一定の権利を担保提供者の使用収益に任せておきながら、債務不履行の場合にその物の価額から優先弁済を受けることを内容とする担保物権である。

■■ 第5回 シックハウス症候群について

シックハウス症候群とは、世界保健機構(WHO)では、「ビル・ホーム関連健康障害」と表現しています。この症候群の出現は1970年代の省エネ政策以降と言われています。住宅に対して1980年に「省エネ基準」が公布されて、気密性の向上により、換気不足や建材等からホルムアルデヒドや揮発性有機化合物等が多量に発生して、健康障害が起こり社会問題化したのです。
新築住宅やリホームした部屋、さらには幼稚園、小・中学校、ビルなどの住民から健康障害を訴える人が増えてきたのです。シックハウス症候群はホルムアルデヒドの他トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン等の揮発性有機化合物があります。
具体的な症状については、体のだるさ、息苦しさ、気分の悪さ、喉の痛み、咳、くしゃみ、動悸、微熱、頭痛、嘔吐、目の違和感などがあります。

2、具体的な対処法
イ、ホルムアルデヒド濃度の測定
ロ、その他の揮発性有機化合物の検査機関の紹介
ハ、住居衛生に関する資料の配布
ニ、住まい方に関する助言
ホ、専門的な診察が可能な医療機関の紹介などがあります。

3、住まいに関する助言
イ、換気を充分に行う
ロ、換気システムを常に運転させる
ハ、タバコ、防虫剤、芳香剤、ガスストーブなどを不必要に使用しない
ニ、清掃に心掛ける
ホ、除湿によりカビの発生を防ぐ

4、その他の課題
今後の対策として、設計事務所や建材メーカーなどに対して、建築主がシックハウス症候群に強い関心を持ち、建材や接着剤の中にホルムアルデヒド他の揮発性有機化合物が基準値以内になっているかを確認する必要があります。同時に、建築基準法ほか施行規則の改定も必要です。

■■ 第4回 宅建試験に於ける抵当権の問題解説

 平成20年度本試験問題の問4に、「Aは、Bから借り入れた2000万円の担保として、
抵当権が設定されている甲建物を所有しており、抵当権設定の後である平成20年4月1日に、甲建物を賃借人Cに対して賃貸した。Cは甲建物に住んでいるが、賃借権の登記はされていない。この場合に於ける次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば正しいものはどれか」という問題である。

 肢1は、「AがBに対する借入金の返済につき債務不履行になった場合、Bは抵当権の実行を申し立てて、AのCに対する賃料債権に物上代位することも、AC間の建物賃貸借契約を解除する事も出来る」という内容である。
肢1は誤りである。AのCに対する賃料債権には物上代位する事は出来るが,AC間の建物賃貸借契約は、Bが建物賃貸借契約の当事者でないので解除はできない。

 肢2は、「抵当権が実行されて、Dが甲建物の新たな所有者になった場合であっても、Cは民法第602条に規定されている短期賃貸借の限度で、Dに対して甲建物を賃借する権利があると主張することができる」という内容である。
 肢2は誤りである。Cは原則として、抵当権者Bには対抗できない。また、短期賃貸借期間は、平成15年に廃止されている。

 肢3は、「AがEから、更に1000万円を借り入れる場合、甲建物の担保価値が1500万円だとすれば、甲建物に担保権を設定しても、EがBに優位して甲建物から債権金額の回収を図る方法は無い」という内容である。
 肢3も誤りである。抵当権の順位の変更や順位の譲渡をすれば出来る。

 肢4は、「Aが借入金の返済のために甲建物をFに任意に売却してFが新たな所有者となった場合であっても、Cは、FはAC間の賃貸借契約を承継したとして、Fに対して甲建物を賃借する権利があると主張することができる」という内容である。
 肢4は正しい。賃貸人の地位がAからFに移転するので、CはFに甲建物を賃借する権利があると主張することができる。 

■■ 第3回 宅建試験に於ける登記に関する問題の解説

平成22年度の本試験の問4に、物権変動と登記に関する問題が出題された。

「AがBから甲土地を購入したところ、甲土地の所有者を名のるCがAに対して連絡してきた。この場合に於ける次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか」という問題である。

 肢1の内容は、「CもBから土地を購入しており、その売買契約書の日付とBA間の売買契約書の日付が同じ場合、登記が無くても、契約締結の時期が早い方が所有権を主張することができる」という記述である。肢1は誤りである。甲土地の二重譲渡となり、AとCの優劣は、契約締結の時期の先後ではなく、登記が必要であり、登記の先後で決める。先に登記した者が優先する。

 肢2の内容は、「甲土地はCからB、BからAと売却されており、CB間の売買契約がBの強迫により締結された事を理由として取り消された場合には、BA間の売買契約締結の時期にかかわらず、Cは登記が無くてもAに対して所有権を主張できる」という記述である。肢2誤り。CはAに所有権を主張できるが、CとAは対抗関係にあるため、Cは登記がないとAに対して所有権を主張できない。

 肢3の内容は、「Cが時効により甲土地の所有権を取得した旨を主張している場合、取得時効の進行中にBA間で売買契約及び所有権移転登記がなされ、その後に時効が完成しているときには、Cは登記が無くてもAに対して所有権を主張できる」という記述である。肢3が正解である。時効完成前のAに対して、Cは登記なくして対抗できる。(判例)これは時効取得者CとCの時効完成前の甲土地の所有権を取得したAとは、物権変動の当事者と同様の関係になるため、Cは登記なくして、Aに所有権を主張できる。

 肢体4の内容は、「Cは債権者の追及を逃れるために売買契約の実態が無いのに登記だけBに移し、Bがそれに乗じてAとの間で売買契約を締結した場合には、CB間の売買契約が存在しない以上、Aは所有権を主張することができない」という記述である。

肢4は誤りである。相手方と通じた虚偽の意思表示は無効となるが、意思表示の無効は善意の第三者Aに対しては主張できない。

■■ 第2回 宅建試験に於ける債務不履行に関する出題

今回(2回目)は宅建試験の出題から、債務不履行について解説します。平成22年度の問6の出題に「両当事者が損害の賠償に付き特約の合意をしていない場合において、債務不履行によって生ずる損害賠償請求権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば正しいものはどれか」という問題文である。

 債務とは債権に対応する債務者の義務の事である。民法415条には「債務者が、その債務の本旨に従った履行をしない場合は、債権者は損害賠償を要求できる」と定義されている。債務不履行には@履行遅滞、A不完全履行、B履行不能の3つの類型がある。

@ は例えば、貸主が土地を借主に賃貸していたが、貸主がその土地に建物を建てる計画があり、土地の賃貸借契約を合意解約したが、明け渡し期限を過ぎても明け渡しを履行しない場合、土地の賃貸料相当額を損害として請求出来る。その場合は原則として、債務者に故意・過失が無ければならない。416条1項には、損害賠償の範囲を「通常発生する範囲内の損害」としている。履行遅滞は一日遅れたら幾らという遅延賠償になる。

A は不完全ながら履行した場合である。一般的に遅延賠償か填補賠償に分かれる。しかし、この不完全履行の概念を認める意味は大きくないと最近では説かれている。

B は例えば、契約後に売買の目的物の建物が売主の失火で焼失した場合である。この場合は直ちに契約解除し填補賠償になる。 肢1〜4の出題文は省略するが、肢1は誤り。「損害発生を予見していたものに限り損害賠償ができる」の表現が誤り。予見していたものに限らない。通常発生する範囲内の損害の賠償を目的としている。

 肢2も誤り。特別の事情によって生じた損害であっても、「予見していたもの」だけでなく、「予見することが出来たもの」についても損害賠償請求できる。(民法416条2項)

 肢3が正解。債務不履行によって生ずる損害賠償請求権の消滅時効は、本来の債務の履行の請求し得る時からその進行を開始する。

 肢4は誤り。債務不履行に関して、債権者に過失があったときは、債務者から過失相殺する旨の主張がなくても、裁判所は過失相殺をする事が出来る。(民法418条、最判昭43・12・24)                           

■■ 第1回 宅建試験に於ける原状回復の問題

小生は永年専門学校で宅建と行政書士の講師をしていました。現在はある大学で宅建の講師をしています。その関係から、今までの本試験の設問と解答の中から、今回は平成20年の本試験問題の問10に原状回復の出題がありましたのでそれを取り上げて、その解説をしたいと思います。
「Aは自己所有の甲建物をBに賃貸し引き渡しも終わり、敷金50万円を受領した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば誤りはどれか」との問題である。
 4肢択一の肢1には「賃貸借が終了した場合、AがBに対し、社会通念上の使用をした
場合に生じる通常損耗について原状回復義務を負わせることは、補修費用を負担することになる通常損耗の範囲が賃貸借契約書の条項自体に具体的に明記されているなど、その旨の特約が明確に合意されたときでもすることができない」という記載である。
 正解はこの択一が誤りである。ある程度常識でも判断出来ると思われる。国土交通省発行の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の中に、「賃借人の原状回復義務について標準契約書の考え方として、@賃借人の通常の使用により生ずる損耗とA通常の使用により生ずる損耗以外の損耗」と区別している。
 「原状回復とは、賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義されている。
 さらに、賃借人に特別の負担を課す特約の用件として、@特約の必要性があり、かつ暴利的でないなどの客観的、合理的理由が存在すること、A賃借人が特約によって通常の原状回復義務を超えた修繕等の義務を負う事について認識していること、B賃借人が特約による義務負担の意思表示をしていること、の3点が必要である。
 以上の事から、肢1は具体的に明記されており、特約が明確に合意されているので、原状回復を負わせることはできないとしたのは誤りである。つまり、負わせる事ができるが正解になる。
 肢2〜4の記述は省略するが、民法619条の判例・最判(昭44・7・17及び53・12・22)のからの出題であった。
 最近の宅建の民法は判例が非常に多く出題されており、難しくなっているので、条文だけでなく、判例まで読み込む必要があります。そして、合格の秘訣は何と言っても、過去問題集のマスターにあります。
 
 
 
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