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伊坂 重郎 氏 
司法書士
『日住検」競売問題研究会委員
第4回 被災者生活再建支援法などのご紹介
第3回 遺言の活用方法
第2回 少額訴訟
第1回 任意売却
【プロフィール】
平成14年 立教大学法学部卒業
平成17年 宅地建物取引主任者試験合格
平成2年  司法書士試験合格
平成22年 簡裁代理認定考査合格
同年 杉並区井草にて司法書士伊坂法務事務所開業

関連サイト
法律になじみのない方への法令・手続の説明責任を重要視した事務所です。140万円に満たない法的トラブルの解決に関する業務を精力的に行っております。近年、登記に関してはご自身で申請をしてみようという方もいらっしゃいます。登記書面や申請手続に関するご相談も承っております。お気軽にご相談ください。

■■ 第4回 被災者生活再建支援法などのご紹介
平成23年3月11日に発生した東北関東大震災によりお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆様、そのご家族の方々に対し心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復旧復興をお祈り申し上げます。

 日本全体が未曾有の危機に陥っています。日本人の我慢強さ、秩序維持について世界中から感嘆の声が上がっているようです。ご自身の事よりも他者を思いやることのできる方が本当に多いと知り、同じ日本人として誇りに思っております。

 本日は、被災者生活再建支援法をご紹介します。この法律は、平成7年の阪神淡路大震災がきっかけとなり、自然災害の被災者を各自治体(都道府県)が保護する(住宅の物損に対する支援)ことを目的として制定されたものです。

 第二条で「被災世帯」などの用語の定義がされ、第三条で支援金の支給額の上限を定めています。

第二条  この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一  自然災害 暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火その他の異常な自然現象により生ずる被害をいう。
二  被災世帯 政令で定める自然災害により被害を受けた世帯であって次に掲げるものをいう。
イ 当該自然災害によりその居住する住宅が全壊した世帯
ロ 当該自然災害によりその居住する住宅が半壊し、又はその居住する住宅の敷地に被害が生じ、当該住宅の倒壊による危険を防止するため必要があること、当該住宅に居住するために必要な補修費等が著しく高額となることその他これらに準ずるやむを得ない事由により、当該住宅を解体し、又は解体されるに至った世帯
ハ 当該自然災害により火砕流等による被害が発生する危険な状況が継続することその他の事由により、その居住する住宅が居住不能のものとなり、かつ、その状態が長期にわたり継続することが見込まれる世帯
ニ 当該自然災害によりその居住する住宅が半壊し、基礎、基礎ぐい、壁、柱等であって構造耐力上主要な部分として政令で定めるものの補修を含む大規模な補修を行わなければ当該住宅に居住することが困難であると認められる世帯(ロ及びハに掲げる世帯を除く。次条において「大規模半壊世帯」という。)


第三条  都道府県は、当該都道府県の区域内において被災世帯となった世帯の世帯主に対し、当該世帯主の申請に基づき、被災者生活再建支援金(以下「支援金」という。)の支給を行うものとする。
2  被災世帯(被災世帯であって自然災害の発生時においてその属する者の数が一である世帯(第五項において「単数世帯」という。)を除く。以下この条において同じ。)の世帯主に対する支援金の額は、百万円(大規模半壊世帯にあっては、五十万円)に、当該被災世帯が次の各号に掲げる世帯であるときは、当該各号に定める額を加えた額とする。
一  その居住する住宅を建設し、又は購入する世帯 二百万円
二  その居住する住宅を補修する世帯 百万円
三  その居住する住宅(公営住宅法 (昭和二十六年法律第百九十三号)第二条第二号 に規定する公営住宅を除く。)を賃借する世帯 五十万円
3  前項の規定にかかわらず、被災世帯が、同一の自然災害により同項各号のうち二以上に該当するときの当該世帯の世帯主に対する支援金の額は、百万円(大規模半壊世帯にあっては、五十万円)に当該各号に定める額のうち最も高いものを加えた額とする。
4  前二項の規定にかかわらず、前条第二号ハに該当する被災世帯であって政令で定める世帯の世帯主に対する支援金の額は、三百万円を超えない範囲内で政令で定める額とする。
5  単数世帯の世帯主に対する支援金の額については、前三項の規定を準用する。この場合において、第二項及び第三項中「百万円」とあるのは「七十五万円」と、「五十万円」とあるのは「三十七万五千円」と、第二項中「二百万円」とあるのは「百五十万円」と、前項中「三百万円」とあるのは「二百二十五万円」と読み替えるものとする。


住宅が全壊した場合、住民票に2人以上の方が入っている世帯では300万円、そうでない世帯は225万円を限度として、支援金を受け取る事ができます。また、平成19年11月の法改正により、使途を定めない定額渡し切り方式になり、年齢・収入要件も撤廃されました。

また、自然災害でご家族を亡くされた方に対して、死亡者一人について最大500万円の弔慰金を支給する災害弔慰金の支給等に関する法律も存在します。その他、独自の法的被災者支援を展開する自治体もあるようです。
被災者の皆様の心痛、その他のご苦労を考えれば微小な額かもしれませんが、復旧の足掛かりにはなると思います。詳細に関しましては、各自治体のホームページなどでご確認をいただくようお願いいたします。

気持ちを強く持ち、日本全体が一丸となって何とかこの困難を乗り切りましょう。がんばろう、日本!

■■ 第3回 遺言の活用方法
こんにちは。司法書士の伊坂です。今回は、普通と少し違う遺言の活用方法を皆様にご紹介します。

遺言、というと我々日本人は少しネガティブなイメージを持ちます。「元気な内に死ぬことを考えるのは縁起が悪い」というのがその原因の一つになっているようです。
ですが、ご自分が亡くなった後の財産関係を明確にしておくことで、無用な相続人間の争いを予防し、相続後の面倒な手続きを省略することもできますから、遺言を遺しておく事は相続対策として非常に有用だと私は思います。

相続争いは、多額の財産のある家庭だけのものではありません。何億円という資産を親族が奪い合う凄惨なサスペンスドラマはよく見かけますが、実際に起こる相続問題は、100万円単位のものが多いのです。表面上は納得して、平等に財産を分割しても、実際には相続以降音信不通になってしまうという悲しい事態もよく起きています。こういった事態を防ぐためにも、遺言を活用していただけると良いのではないでしょうか。

 遺言で各財産をどの相続人が取得するのかを決定しておくと、相続後、遺産分割協議をするまでもなく、財産の帰属が確定します。相続人全員が合意すれば別の形で分割をすることも可能ですが、全員が納得して合意することがなければ遺言の指定通りになりますから、無用な争いはこれで予防できます。各相続人の遺留分などに注意しつつ、これをしておくと有効です。仲の良かった家族が相続をきっかけに不仲になる、というのは悲劇です。

【付言事項】
遺言は民法という法律でその書式が定められています。この書式に従わないで遺された遺言は、残念ながら無効という事になります。しかし、必要な要件をしっかりと満たしているのであれば、他に何か書いてはいけないという決まりはありません。 それが、今からご紹介する「付言事項」です。

遺言における付言事項とは、法的な意味を持たない部分を指します。
遺言には、「今まで本当にありがとう」「これからも仲良く暮らして下さい」など、所謂手紙のようなメッセージを付けておく事ができるのです。字数制限もありませんから、ご自身の想いを、沢山の言葉で表しておくことも可能です。

日本では遺言を「財産の配分に関する文書」と考える傾向が強いため、どうしても感情のこもらない機械的な文章による遺言が多くなっています。ご家族のためを思って書いた遺言が、意に反して相続争いの発端となる事もあります。

たとえば、自分に良く尽くしてくれた奥様に全ての財産を相続させたい、と考えて遺言しても、他の相続人が遺留分を主張して争い、遺産分割を要求するという事態を招き、かえって奥様の心労となってしまう危険性があります。他の相続人の方に対しても、ご自身の奥様に対する気持ちや、お子様に対する気持ちをはっきりとメッセージにし、理解を得ることで、このような危険性は減少します。

※このようなケースでは、生前に話し合いをし、いくらかの対価を与えることによって他の相続人が納得の上、遺留分を放棄するという方法によって、法的な争いを未然に防止することも有効です。ただし、遺留分の生前放棄には家庭裁判所の許可が必要になりますので、ご注意ください。
【遺言による寄付など】
相続人となる方がいらっしゃらない場合、相続財産は原則として国が取得する事になりますが、遺言によって公益法人などに寄付する事も可能です。また、ご自身がお世話になった恩人や親しい知人に財産を贈与(遺贈)する事ができます。

【負担付遺贈】
 よくあるのが、可愛がっていたペットに財産を遺したい、というご相談です。法律上、ペットには財産を所有する権利が認められていませんから、遺言でペットに財産を譲る、と書いても効力は発生しません。
 このようなケースでは、信頼のできる知人にペットと他の財産をセットで遺贈し、ペットの面倒を見る、という義務(負担)を負わせる内容の遺言を遺すことができます。もちろん、相手の方には事前に連絡し、もしもの事があった場合、という事で了承をとっておくべきです。

【最後に】
 遺言の活用法について簡単にご説明しましたが、遺言には他にも様々な機能があります。ご自身の亡くなった後の事であるからこそ、体調の良い時に、しっかりと色々な事項を検討し、万一の事態が起きてもご家族が困らないような形を作っておく事が大切です。遺言は一度書いたら絶対に手を付けられないというものではありません。ご自身の体調が万全であれば何度でも書き直しや取り消しのきくものですから、何年かに一度見直しをして、状況に応じた遺言を作っておくことをお勧めいたします。

■■ 第2回 少額訴訟
こんにちは。司法書士の伊坂です。コラム第2回目は、少額訴訟のご紹介をしようと思います。少額訴訟とは、訴額60万円以内の金銭支払いを求める場合に、簡易・迅速に裁判所の判決を受けることができる手続きです。

【少額訴訟のできた経緯】
裁判所は、お役所です。土日祝祭日は原則として裁判はしてもらえません。ですから、裁判をするためには、お仕事を持たれた方の場合、お休みを取るか、弁護士・司法書士などに訴訟を代行させる必要があり、経済的な負担がかかります。
また、裁判は通常、何回にも渡ってトラブルの原因を突き止め、その原因に関して両者の意見が食い違う部分を見極め、そしてその部分に関するどちらの言い分が正しいのかを判断していくという作業が予定されていますから、上記の経済的負担が「何度も」当事者の方にかかるという事になるわけです。

少ない金額を支払ってもらうためにわざわざ訴訟を起こすのは、費用対効果の面であまりよろしくない、という事がお判りかと思います。

基本的に、訴額140万円以内の訴訟については「簡易裁判所」という裁判所で審理をしてもらえます。簡易裁判所はその名の通り、他の裁判所と比較して若干手続きが容易になっており、一般の方が専門家に依頼しないでも裁判を受けることができるように配慮されています。ですが、簡易裁判所の容易な手続きであっても、請求する金額が少なければ少ないほど費用の効率が悪くなってしまいます。請求金額が低くても、必要となる手続きは変わらないからです。
これでは、不当にお金を騙し取られたり、貸したお金が返ってこなかったりした場合に、金額が多くないという理由で裁判を受ける事を諦める方が増えてしまいます。

裁判所で公正な判断をしてもらう必要性は、金額の多寡で変わるものではありません。
むしろ少ない金額のトラブルこそ、本当に裁判所の助けを必要としている方が多いのが現状です。
このような理解のもと、平成10年から開始された手続きが少額訴訟手続きであります。


【少額訴訟の特徴】
少額訴訟は、国民が「利用し易い」手続きである事を目標にしています。以下に少額訴訟の特色を簡単に挙げてみます。

@ 1日で裁判が終了する。(原則として、裁判所に行ったその日の内に判決が出ます。)
A 証拠は、即時に取り調べることができるものに限られる。
B 反訴ができない。(被告は別の請求を持ち出すことができません。)
C 控訴ができない。(上級裁判所に控訴することができません。)
D 当事者尋問、証人尋問の手続きが簡単。(尋問事項書が不要であり、かつ原則として裁判官が主導してくれます)

いかがでしょうか。普通の裁判手続きをご存じでなければあまりピンと来ないかもしれませんが、要は「大した準備をせずに裁判所に行って、裁判官の言う事に答えていれば、その日の内に判決を出してもらえる」という手続きになっています。

消費者金融業者など、少額請求の機会が多いプロにこの手続を独占されてしまわないよう、一年間の利用回数が制限されているのも大きな特色です。

【少額訴訟の注意点】
少額訴訟は、簡単に正しい判断ができる、という前提がなければ成立しません。したがって、裁判所が「この事件は少額訴訟にはふさわしくない」という判断をすれば、少額訴訟をしたいと申し出ても通常の裁判手続になってしまうことがあります。
また、被告の方が「少額訴訟ではなく、じっくりと普通の裁判で判断して欲しい」という場合には、原告が少額訴訟を望んでも通常裁判手続をするしかありません。

また、気をつけなければならないのは「裁判所は、口喧嘩をする場所ではない」という部分です。一般の方が裁判に関わる時に良くあるのが、相手の方がしゃべっている最中にご自分の主張をしてしまうという、初歩的なミスです。裁判は、テレビでよくある言った者勝ちのトーク番組などとは違います。裁判官が、双方の主張を順番に聞き、どちらの言い分に説得力があるかを判断するシステムになっています。相手方が話をしている時は、どんなにご自分の記憶や、意思と違う事を言われてもジッと我慢しなければいけません。ご自分の話す順番になった時に、きちんと説明をすれば良いのです。これは、少額訴訟という簡単な裁判方式であっても変わらないのです。このルールを良く理解せず、裁判官に注意を受けて、裁判官と口争いを始めてしまう方がたまにあります。裁判の結果に悪影響が出るとまでは言いませんが、裁判官に良い印象を与えることは大変重要ですから、注意が必要です。

【最後に】
裁判所に行ってみるとわかりますが、少額訴訟の行われる場所は専門家でない方があまり緊張しないで話せるように工夫されています。「一般国民の権利を擁護する」という裁判所の思いが伝わってくる、というと言い過ぎかもしれませんが、裁判をもっと気軽に利用して欲しい、という事なのです。

日本ではアメリカなどと違い、「訴訟」に対してネガティブなイメージをお持ちの方が多いと思います。たしかに、トラブルがなければ訴訟が発生することはないのですから当然と言えば当然です。しかし、人が自由に行動すれば衝突が起きるのもまた当然であり、第三者が介入する事によって素早く、公正にこれを解決しましょう、というのが裁判所の持つ役割です。当事者の方同士で話し合いを続け、ドロドロのトラブルになってしまう事を防止する事も期待できます。また、裁判所は「和解」という原告被告の相互譲歩を前提とした解決方法を提示する事が多いです。この方法であれば、被告が任意に支払いをしてくれる可能性が高くなりますし、お互いが納得した上でトラブルを解決する事ができます。

インターネットの普及により、通販やオークションなどでの小さな金額の事件も増加しています。他にも敷金返還に関する請求や、自動車の物損事故など、少額訴訟で解決できる事件は意外に多いものです。
簡単なご紹介だけさせていただきましたが、このような紛争解決の途も用意されている、という事を知っておいていただくのも良いのではないでしょうか。

■■ 第1回 任意売却

【ご挨拶】
はじめまして。司法書士の伊坂と申します。私のコラムでは、日常の法的トラブルや法的手続について、法律になじみのない方を対象にご紹介させていただこうと思っております。なるべく分りやすい記述を心がけるつもりです。よろしくお願いいたします。
第一回目の今回は、日本住宅性能検査協会で現在非常に相談件数が増加しているという「任意売却」手続について、どのようなものであるかをお話しする事にします。

【任意売却って?】
 最近よく耳にする「任意売却」ですが、具体的にどのような手続なのかご存知でしょうか。これは住宅ローンの返済がうまくいかなくなってしまった場合に行う債務の処理手続きの一種なのですが、パッと見た言葉のイメージでは、普通の売却とどこが違うのか分りづらいかもしれませんね。

 住宅ローンを全額返済し終えていない状況で、収入低下など不測の事態が発生すると、住宅ローンが生活費を圧迫し始めます。現在の収入に見合ったお家に引越できれば、必要以上に生活水準を下げなくて済む、という事になります。
マイホームを売却してローン残額を一気に返済してしまう事ができれば話が早い。(これができる場合は任意売却ではなく、単純な売却というカテゴリに分けることができます。)

 しかし、マイホームを売却する際にやっかいなのが、住宅ローンの契約時にマイホームと土地につけられた「抵当権」又は「根抵当権」です。これを担保権と呼びます。「もし返済が滞ったら、この家と土地を競売で売って、売却金額からローンの返済を受けますよ」という権利を指します。(競売にかけられて売却されるのは強制売却と言います)

 担保権は、原則として借金の全額返済が完了した時に自動的に消滅します。逆に言うと、「全額返済が終わっていないならば、消滅せずに残る」という事です。担保権が消滅していない状態で家と土地を買っても、前の持ち主さんの借金の返済が滞れば、後の持ち主さんがそこに住んでいるいないに関係なく、競売にかけられてしまうのです。こんな不安定な不動産を好んで購入しようとする人はまずいませんから、抵当権や根抵当権がついたままでの売買は原則としてできません。

 住宅に担保権がついていると、返済によって消滅させない限り売却できない。そこで通常の不動産売却では、住宅ローン残額を、住宅の売却金額(買主さんが支払った金額)で一括返済する約束をします。そうすれば担保権は消滅しますから、買主さんも安心してその住宅に住むことができるわけです。

 では、売却した金額を全部返済にあてても、住宅ローンの残額に届かない場合はどうなるのでしょうか。これは基本的にはアウトです。全額返済をできない以上、担保権は消滅しませんから、不動産はいつ競売にかけられるか分らない不安定な状態となり、買い手もつかない事になってしまいます。ここで出てくるのが「任意売却」の手続なのです。

 長々と前提を書いてしまったのでまとめます。
@担保権とは、ローンの返済が滞ってしまった時に対象物件を競売にかける権利です。
A担保権は、ローンの返済が完了すると自動的に消滅します。
B担保権が消滅していない状態での住宅の売却は、まずあり得ないという事になります。

任意売却は、Aの部分に着目して考える手続です。

担保権は、ローンの返済が完了していなければ「自動的には」消滅しません。しかし、住宅ローンの貸し付けを行った金融機関が、「もういいよ」と「任意に」担保権を消滅させてくれれば話は別です。この場合は、担保権が消滅するのですから、不可能であるはずだった住宅の売却が可能になるのです。

【任意売却のしくみ】
金融機関が、任意に担保権を消滅させてくれれば売却が可能ということはご理解いただけたと思います。しかし、金融機関が、せっかくつけた担保権を任意に消滅させてくれるという事が起こり得るのでしょうか?

金融機関が担保権の消滅に同意してくれるのには理由があります。その理由は、ズバリ「競売にかけるよりも、通常の売却手続きに乗せてしまった方が高値で売却できる可能性が強い」ということです。

競売とは、競り売りですから買い手はなるべく安く物件を買おうとします。ですから、通常の相場の5割から7割程度での落札が多くなっています。一方、任意売却は通常の売却ルートに乗せてするものですから、より相場に近い金額での取引が望めます。(急を要するため、通常の相場よりは若干安値で買い手を探すことになります)

金融機関としては、「競売にかけても全額の返済が無理なのだから、通常の売却をしてもらって、その売却金額を返済に充ててもらった方が良い」という事になります。ですから、任意売却の売却金額を全額返済に回します、という約束をすると、担保権の任意消滅に同意をしてもらえる場合があるのです。

担保権を任意に消滅させてもらえたとしても、ローン残額の返済が免除されるわけではありませんから注意を要します。あくまでも、「この不動産を競売にかけるよ」という権利を消滅させてもらうだけです。ローンを全額返済すれば担保権は自動消滅しますが、担保権が任意に消滅したからと言ってローンを全額返済したことにはなりません。

【任意売却のメリット】
 それでは、任意売却を実施する事によって利用者の方が得られるメリットは何になるのでしょうか。
@競売されるよりも、高額で物件を処分できる可能性が強いため、ローン残額がより多く減るという期待が持てる。
A現在の収入状況に見合った生活にシフトチェンジできる。
B競売の場合よりも、物件の引き渡しなどがスムーズに行える。
Cローンの元本が大幅に減るため、月々の返済額や利息計算が有利になる。
 等々が考えられます。

「住宅ローンだけは維持してマイホームを守りたい」という方は個人再生という手続が用意されていますからそちらを利用することになりますが、任意売却は逆に「マイホームを手放して、生活環境を改善したい」と考える方向けの手続です。

【最後に】
 競売手続が進行してからでは任意売却手続の成功率も低下します。(買い手を見つける時間が少ないため)
 住宅ローンが生活を圧迫している、とお感じになった時は、このような手続もあるという事を考慮し、なるべく早い段階で専門家にご相談いただくことをお奨めします。
 
 
 
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