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和田 博信 氏 
敷金診断士
経営コンサルタント
株式会社sooup CEO

「アベノミクス時代に備えろ!!不動産コストマネジメント」
第2回 原状回復費用 住宅編 現状
第1回 はじめに

■■ 第2回 原状回復費用 住宅編 現状

<Point>
(1)物件ごとに、原状回復費用の原価構造や契約形態が異なっている。
(2)地域間格差が存在することにより、全国均一の費用算定になっていない。
(3)当事者間の思惑の違いや情報の非対称性が著しい。

原状回復費用に関する課題や問題には様々な側面があるのは事実ではあるが、現状を整理してみると1.物件(貸主)単位の属性、2.地域特性、3.当事者の個性、の3つの問題に集約されるのではないだろうか。3つのひずみともいうべき特徴が住宅の原状回復費用における諸問題の起因になっていると考える。

そこで、1つずつ具体的に見てみよう。
1.物件単位の属性
1980年代までは住宅物件の種類は戸建て、アパート、マンション(低層・中層)、など限定的であったが、現在では高層タワーマンションやシェアハウスなど様々な建築構造の物件が存在している。そしてそれぞれに原状回復費用における原価構造が異なり、またそれに付随する賃貸借契約形態も異なるのが実態である。そのため、原状回復におけるガイドライン等はあるものの、残念ながら最終的な原状回復費用においては物件(もしくは貸主)ごとに統一感を持ったものになっていないのである。

2.地域特性
敷金・保証金に対する考え方や貸主及び原状回復業者に起因した原状回復費用について地域単位で大きく異なるために存在している。1998年に国土交通省が全国的な指針「原状回復に関するガイドライン」を取りまとめ(以後2回改訂)されているもののハウスクリーニング単価や畳の表替費用に代表されるように地域ごとの特性を必ずしも網羅しているものではない。
そのため、原状回復費用についての地域間格差は依然残る課題である。但し、東京都においては2004年に賃貸住宅紛争防止条例の施行に合わせて『賃貸住宅トラブル防止ガイドライン』いわゆる「東京ルール」が制定され以前ほど高額請求に係るトラブルの発生については少なくなったものの、依然として賃貸借契約のトラブルの約25%を占めるに至っているのが実態である。

3.当事者の個性
最終的に原状回復費用に関する問題をより複雑化しているのは、残念ながら当事者同士であるといわざるを得ない。敷金診断士として様々なケースを経験してきているが、賃貸借契約に則り粛々と処理が可能なケースもあるが、トラブルに至るケースでは入居者が賃貸借契約の段階で適切な認識をしないままに契約をしてしまうケース、不適切な使用により物件に過度な損害を与えてしまっているケース、家賃滞納による強制退去などがあり、貸主側についても、故意ではないのだがリフォーム業者からの見積を信じて疑わないケース、敷金や保証金を返したくない思惑があるもしくは場合によっては使い込んでしまっていっているケース、資金調達の際の金利条件が悪く生活を圧迫しているケース、売却・差押などにより物理的に貸主が変更してしまっているなどなど。賃貸借契約に係る当事者の様々な思惑が複層的に絡み合っているケースが見受けられる。
それに加えて貸主サイドにはこの問題の専門家ともいうべきリフォーム業者・不動産業者や場合によっては弁護士等が存在しているが、入居者の多くは個人でその専門性に対抗せざるを得ず泣きを見るというケースが圧倒的である。

では上記の様々なひずみの中で、今後の対策をどのようにとるべきであるのかを次回対策を述べていきたい。

■■ 第1回 はじめに

<Point>
(1) 日本経済はアベノミクス効果により、約四半世紀ぶりにインフレ環境下になる情勢。
(2) 前回の物価トレンドの転換期における様々なひずみ。
(3) 今回の「デフレ → インフレ」環境下への転換期での対策は。

2012年12月、第2次安倍内閣発足のもと、アベノミクス「三本の矢」T.金融緩和、U.財政積極主義、V.成長戦略が掲げられた。特に日本銀行の黒田総裁による「異次元緩和」の名のもとにはじめられた、量的緩和の実施やインフレターゲットの導入などにより、日本経済はバブル崩壊から始まったデフレ時代からの脱却を図りつつある。また、円高水準の是正や2020年東京オリンピック・パラリンピックの招致決定に伴う景況感の先行きの明るさ、ファンダメンタルズの安定、消費税増税に伴う物価への影響と相まって1990年代前半以降、約四半世紀ぶりにインフレーションの波に巻き込まれることが確実な情勢となった。

デフレ環境下における不動産市況は、ITバブル期におけるREITへの資金流入など一部には活況を呈している場面もあったものの、総じて地価水準、賃料水準や原状回復費用については長期にわたり下落のトレンドは変わらない状況であった。しかしながら、振り返ってみると、物価トレンドの大きな流れが変わった1990年代前半の「インフレ → デフレ」環境下への転換期では、賃料設定のねじれや原状回復費用のトラブルなど様々なひずみが噴出した。急激なデフレ環境への変化に対応ができない中、対策が後手後手に回ってしまい、結果として個人・法人ともに大きな損失を招いてしまったのが実情である。

そこで今回、アベノミクスにおける「デフレ → インフレ」環境下を迎えるにあたり、転換期における大きな損失を招かないための対応策・予防策を中心に、「アベノミクス時代に備えろ!!不動産コストマネジメント」と題して全12回にわたり、敷金診断士の観点から不動産コストである原状回復費用と賃借料が与える住宅・オフィスへの影響及び対策を述べていきたい。

以下、本コラムの予定である。
第2・3原状回復費用 住宅編(現況〜今後の対策)
第4・5回原状回復費用 オフィス編 (現況〜今後の対策)
第6回原状回復費用のコストマネジメント総論(現況〜今後の対策)
第7・8回賃借料 住宅編(現況〜今後の対策)
第9・10回賃借料 オフィス編(現況〜今後の対策)
第11回賃借料のコストマネジメント総論
第12回まとめ
 
 
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