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1.  借地借家法の適用

判例001

広告塔所有目的の屋上の賃貸借

(大阪高裁昭和53年5月30日判決)(最高裁判所HPから)

 

<事案の概要>

1)            Yはもとビルの所有者であった。

Xは、広告塔を設置する目的をもって、敷金を預け入れて、Yから屋上36坪を賃借し、賃借部分に6本の基脚によって支えられる広告塔を建設した。基脚によって囲まれた部分は18坪である。

2)            Yは、ビルをAに譲渡した。

3)            Aは譲り受け後、ビルの屋上への入り口を閉ざすなど広告塔の点灯、修理を妨害したので、Xは、Yに対し、賃貸借契約を解除し、敷金の返還を求めた。

4)            これに対し、Yは、賃貸借はYからビルの譲受人Aに引き継がれており、YにはXに対する敷金返還義務はないと反論した。

5)            裁判所は、この賃貸借契約は借家法に定める建物の賃貸借ではないから、賃貸借はAには引継がれないとして、XのYに対する敷金返還請求を認めた。

 

<裁判所の判断>

1)            借家法1条にいう「建物」とは土地に定着し、周壁、屋蓋を有し、住居、営業、物の貯蔵等の用に供することのできる永続性にある建造物をいうが、その限界は、結局、社会通念、立法の趣旨等に照らして決めるべきであり、建物の一部であっても、障壁その他によって他の部分〔他の物〕と区画され、独占排他的支配が可能な構造、規模を有するものは同条にいう「建物」である。

2)            この観点に立って本件屋上が建物の一部であるかどうかについてみるに、広告塔の閉める割合は屋上全体の約2分の1であったこと、広告塔のほかに、ルーリングタワー、プレハブの納屋が存在していたことなどが認められ、本件屋上はその周囲及びその下方の階下部分とが区画されているとはいえ、その上方の空間部分とは全く区画されていないのであるから、この基準にいう「他の部分」と区画されているといえるかどうか疑問であるばかりでなく、独占的排他的支配が可能な構造、規模を有するものとはいえても、現実にはXとYの占有支配が競合していたのであるから、Xの本件屋上の占有をもって利用上完全に独立した部分の占有とみることはできない。

3)            次に、本来借家法が制定された趣旨は、経済的な弱者を保護しその居住権、生活権ないしは営業権を保障しようとする点にあり、建物の一部にも借家法1条にいう「建物」にあたるとして借家法の適用範囲の拡張を認めるには、ひっきょう経済的な弱者である借家人を保護する必要があるからにほかならない。本件賃貸借は広告塔建設を目的とするものであって人の住居ないしは店舗、事務所等とは直接に関係はなく、何ら借家法による保護を必要とするものではない。

4)            したがって、本件屋上は本件建物の一部であるが社会通念、立法の趣旨等に照らし、借家法第一条にいう「建物」またはこれに準ずべきものでないと解するのが相当である。





 
 
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