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「通常の汚損、損耗は保証金の償却費に含まれるとした例」
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(判決理由抜粋)
「2 また,本件特約にいう損傷には,賃借人による賃借物の通常の使用によって生ずる程度の損耗,汚損は含まれないものと解するのが相当であり,特に,本件特約における保証金160万円は,契約終了時には,約60パーセントにあたる100万円を控除して返還するものとされていることからすれば,右のような通常の使用によって生ずる損耗,汚損の原状回復費用は,右保証金から控除される額によって補償されることを予定しているものというべきであるところ,<証拠略>から窺われる右損傷箇所の状況,その内容及び程度からすれば,むしろ,通常の使用によって生ずる損耗,汚損の程度とも考えられ,したがって,右損傷箇所が,通常の使用によって生ずる損傷,汚損の程度を超え,本件特約にいう損傷にあたるといえるか否かについては,その損傷箇所の内容,性質,程度を具体的に確かめる必要がある。
3 更に,本件損傷箇所が本件特約にいう損傷にあたるとしても,<証拠略>によれば,その損料(原状回復費用)として,被上告人が主張する60万円は,本件貸室の床Pタイル,壁面クロス及び天井全体を貼り替える工事費用であるところ,前記損傷箇所の状況,程度,及び,右金額が被上告人自身の見積もりによるものであることからすれば,その補修に,床,壁,天井全体の貼り替えまでを要するかどうか,また,その費用額が適正妥当であるかどうかについて,多分に疑問のあるところである。」 |
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