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百貨店店舗の賃料減額

(東京地方裁判所八王子支部平成15年2月20日判決・金融商事判例116951頁)

百貨店の店舗用建物と駐車場建物の賃貸借において、賃料が基本賃料と歩合賃料とで構成されている場合、基本賃料が不相当になったとして賃料減額を求め、認められた事例がある(東京地方裁判所八王子支部平成15年2月20日判決・金融商事判例116951頁)。


 原告会社は、平成元年3月、被告会社から、百貨店業を営む目的で店舗建物及び駐車場建物面積合計1万1300坪余を賃貸借期間25年の約定で賃借した。賃料は、基本賃料と歩合賃料からなり、基本賃料は月額1億0866万円余(坪当たり9600円)とし、歩合賃料は月間売上高が基準月間売上高を超えた場合、超えた金額に2%を乗じた額と定められた。なお、敷金・保証金の合計額は74億円余である。


 賃料は3年毎に改定する旨約定されていたが、1度も改定されずに平成12年に至った。同年1月、原告は、基本賃料を20%減額して月額8692万円余に改定するように求めたが、被告が応じなかったため、、減額した賃料額の確認を求めて本訴を提起した。


 本件の判決は、全体の適正賃料につき差額配分法、利回り法、スライド法、賃貸事例比較法による賃料の試算を検討し、鑑定人が差額配分法により9836万円、利回り法により4750万円、スライド法により9863万円、賃貸事例比較法により1億0013万円と試算した上、利回り法によるものは参考価格にとどめ、差額配分法、スライド法、賃貸事例比較法の各試算賃料を2:1:1の割合で反映させるとした鑑定をおおむね妥当なものとし、差額配分法による試算賃料のみを98969500円と修正して、上記の比率により9897万円を適正賃料とした。


 次いで、前年度の歩合賃料の平均月額が1658000円であることからこれを控除した97312000円を基本賃料の適正額とし、この金額は減額請求前の賃料額と比して金額で1134万円余、率で約10%の差異が生じており、この金額まで減額が認められるべきものとした。


 また、原告が、歩合賃料を控除し、基本賃料に限定してその減額を求めたことについては、本件の歩合賃料のように店舗の売上高に応じて変動する賃料は、経済事情の変動に基づく賃料増減請求をする必要が生じないことになるから、賃料額が固定されていない部分については増減を求めず、固定されている部分についてのみ減額を求めることも借地借家法の定める賃料増減請求権の趣旨に反せず、本件のような基本賃料のみの減額請求も許されるものと判示した。
 この判決は、鑑定人の試算とこれに対する被告の批判につき詳しく検討を加えているので、その点については判決文を直接読んでほしいが、判決が相当と認めた鑑定の数値のうち一般的に興味のありそうなものを若干挙げておく。


 差額配分法における期待利回りは、土地4%、建物6%とし、総合期待利回りを4.6%としている。
 利回り法における合意時点の実質賃料利回りは3.8%としたが、土地価格の大幅下落等により価格時点の継続賃料利回りは5.1%としている。


 スライド法においては、消費者物価指数・全国総合指数、百貨店年間売上高、原告店舗の売上高、地価の変動率から経済変動率を13%のマイナスとした。




 
 
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